こんにちは。オンライン書店「Chapters bookstore(チャプターズ)」を運営する、書店主の森本萌乃です。
書店で何千冊もの本を前にして、「読みたい気持ちはある。でも、何を読めばいいのかわからない」と立ち尽くしたことはありませんか。
あるいは、気づけばいつも同じ作家、同じジャンルばかり。好きな本を選んでいるはずなのに、少しだけ新しい風もほしい。
そんなときにおすすめしたいのが、自分以外の誰かに、本選びを委ねてみる「選書サービス」です。
最近では、じっくり対話するもの、カルテを記入するもの、毎月一冊が届くサブスク型、個人の選書家にオンラインで相談するものまで、選書サービスにもさまざまな種類が登場しています。
私自身も仕事で日々選書をしていますが、他の書店員さんに本を選んでもらうのもまた大好きです!
この記事では、現役書店主の視点から、2026年現在おすすめしたい選書サービスを7つご紹介します。
森本萌乃
1990年生まれ。書店主・選書家、株式会社MISSION ROMANTIC代表。オンライン書店「チャプターズ」や、市ヶ谷の対話型選書「チャイと選書」を運営し、本をきっかけに人と人がつながる新しい読書体験を提案している。著書に小説『あすは起業日!』(小学館)。趣味は旅先での読書。
※ この記事では、私が運営するチャプターズも紹介しています。自社サービスだけをおすすめするのではなく、それぞれの特徴や向いている方がわかるよう、できるだけフラットにまとめました。料金や受付状況は変更される場合がありますので、ご利用前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
選書サービスとは? 本を「自分で選ばない」という、新しい選択肢
選書サービスとは、書店員や読書家など、本に詳しい人が利用者の好みや悩み、読書歴などをもとに本を選んでくれるサービスです。
Amazonや書店のランキングを見れば、人気の本はすぐにわかります。でも、人気の本と「今の自分が読みたい本」は必ずしも同じではありません。
ふいに本を読みたくなって、手を伸ばしてみた芥川賞や直木賞の受賞作。「話題だから間違いないはず!」と思って読んでみたら、意外と難しくて挫折してしまった。そんな経験はありませんか?
芥川賞は純文学の新人・新進作家を対象とし、新しい表現や文学性そのものが評価される賞。直木賞はもう少しエンタメ要素が強い大衆小説が中心ですが、こちらもまた「読みやすい本」かどうかと言われるとちょっと違って。
売れている本、賞を取った本=今の自分が楽しめる本、とは限らない。
ここが小説選びの難しくて面白いところです。
選書サービスの魅力は、アルゴリズムや売上ランキングではなく、誰かの経験や感性を通して本と出会えること。
さらに私が選書をする際は「好きそうな本」をお選びするだけでなく、その人の好みから半歩だけ外れた作品を探すことも大切にしています。
人が選ぶからこそ生まれる予想外の中に、誰かにとっての新しい扉を開く特別な一冊との出会いがあるかもしれない。このAIの時代に、人力で選ぶからこそ、こんな不確定要素を楽しめる点も選書の魅力だと思っています。
選書サービスを使う3つの魅力
1. 本選びに疲れず、読書に没頭できる
読みたい本や自分に合う本がズバリ出てくるので、本を探す途中で疲れることなく、読書そのものに集中できます。
2. 読書の楽しさが広がる
誰かのおすすめやコメントがつくと、苦手なジャンルや自分では選ばない本も、不思議と楽しみやすくなります。
3. コミュニケーションを楽しめる
自分のために本を選んでもらうと、その意図を知ったり、考えたりすることで選んでくれた相手のことも見えてきます。これも選書の魅力。
失敗しない選書サービスの選び方【タイプ別】
ひとことで「選書サービス」といっても、その方法はさまざま。大きく分けると、こんなタイプがあります。
書店員や選書家と実際に会話をしながら、自分の好みや悩みなどを伝えて本を選んでもらいます。
毎月など決まったタイミングで本が届くタイプ。読書習慣そのものを作りたい人にもおすすめです。
メールやフォーム、手紙など、文字で伝えた情報をもとに本を選んでもらいます。
SNSやスキルマーケットなどで「この人に選んでもらいたい」と思う人を自分で探して依頼します。
「とことん私に合わせてほしい」という方は対話型。「読書習慣も作りたい」なら定期便型。「時間がない、対話はちょっと緊張する」という方はカルテ型。そして「この人の本のセンス、好きだな」という選書家がいるなら、個人に直接お願いするのもおすすめです。
【2026年版】おすすめ選書サービス7選・比較表
| 選書サービス | タイプ | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| いわた書店「一万円選書」 | カルテ型 | 約1万円分をまとめて選書 | 一度は本格的な選書を体験したい |
| ブックカルテ | カルテ型 | 全国の書店員から選書者を選べる | 本のプロに自分だけの選書を頼みたい |
| チャプターズ | 定期便型 | 毎月の選書+同じ本を選んだ人との交流 | 読書習慣を作りたい・人とも出会いたい |
| チャイと選書 Chapters bookstore「パーソナル選書」 | 対話型 | 市ヶ谷で会話しながら最大5冊を選書 | 直接話して本を選んでほしい |
| イチゼンブックス | 定期便型 | 毎月一人ひとりに1冊を選書 | 月1冊から無理なく読みたい |
| 文喫 | 対話型 | ブックディレクターによる選書+書店空間 | 本屋で過ごす時間ごと楽しみたい |
| 個人の選書家 | カルテ型・対話型・定期便型(人による) | ココナラやSNSから「人」で選べる | 気軽に試したい・相性のいい人を探したい |
1.いわた書店「一万円選書」|選書サービスを語るなら外せない名物企画
北海道・砂川市にある、いわた書店の「一万円選書」。利用者がカルテを書き、その内容をもとに店主が約1万円分の本を選んで届けてくれる、選書サービスの代表的な存在です。
この一万円選書は、実際の本が郵送されてくるので、費用感としてもとってもお得なのがポイント。
好きな作家だけではなく、これまで読んだ本、印象に残っている出来事などを振り返りながらカルテを書く。本を選んでもらう前に、自分自身について考える時間がある。これもパーソナル選書の面白さです。
非常に人気のサービスなので、いつでも申し込めるわけではありません。受付状況は公式サイトで確認してみてください。「一度は本格的な選書を体験してみたい」という方に。
2.ブックカルテ|全国の書店員さんから「選書してほしい人」を選ぶ
選書サービスに興味があるなら、知っておきたいのが「ブックカルテ」。全国の書店員さんの中から、「この人に本を選んでもらいたい」と思う人を自分で選び、カルテに読書傾向や好みなどを書いて選書をお願いするサービスです。
面白いのは、「何を選んでもらうか」だけでなく、誰に選んでもらうかから体験が始まっていること。
私も、以前ブックカルテを実際に利用しました。その一部始終をYouTubeで紹介しています。
普段は選書をする側ですが、この日は完全に「選ばれる側」。カルテにありったけの思いを書いて、わくわく待つ時間が本当に楽しかったです!
ただ、私がお願いした書店さんは本だけが届く形だったので、選書理由が気になりました。(他の書店さんは分かりません)
3.チャプターズ|「自分では選ばない一冊」と、その先の人にも出会う
そして手前味噌ですが、私たちが運営する「チャプターズ」もご紹介させてください。チャプターズは、「恋する書店」をコンセプトに掲げ、忙しい大人が久しぶりに読んでも楽しめる一冊を届けている、月額制のオンライン書店です。
毎月、現役書店員が候補作を読み込み、3作品を厳選。完全なパーソナル選書ではありませんが、季節性やトレンド感を重視した3冊の中から、独自のクリエーティブや推薦文だけを頼りに、直感で一冊を選ぶ。この工程には、プロがある程度絞ってくれる安心感と、自分だけの一冊を選ぶ楽しみ、その両方があります。
さらに、扱う作品はすべて読了しているという点もチャプターズの大きな特徴です。チャプターズに並ぶ本は、少なくとも誰かにとって「特別に面白かった一冊」なのです。
そして、もう一つ。同じ本を選んだ人のプロフィールを見ることができ、お互いに興味を持ったら20分間のオンライン読書トーク「アペロ」で本の感想を話すこともできます。つまり、本との出会いのその先に、人との出会いまである選書サービスです。
とはいえ、出会いが必須というわけではありません。既婚者・恋人ありの方向けのフィルターもあり、純粋な選書サービスとして使ってくださっている方も全体の2〜3割ほど。選書への高い信頼を、この数字から運営として日々感じています。
本が溜まってしまったときのために、スキップ機能もあります。スキップした月は、メールでその月の選書の”答え合わせ”だけが届く仕組み。積読が増えてしまったときや忙しいときにも、無理なく続けられます。読書には波があるもの。その波にも寄り添えるサービスでありたいと思っています。
チャプターズの使命は、自分では選ばなかったけれど読んでよかった一冊を少しずつ増やし、お客様の読書の世界に彩りを添えていくこと。
まずはLINEで、過去200作品以上の選書から本を提案する無料選書診断も体験できます。
4.チャイと選書 Chapters bookstore「パーソナル選書」|市ヶ谷で、話しながら選んでもらう
「オンラインではなく、実際に本屋さんと話しながら選んでほしい」という方へ。東京・市ヶ谷にあるチャプターズの実店舗「チャイと選書 Chapters bookstore」では、予約制のパーソナル選書を行っています。
ここで使うのは、チャプターズがこれまでに選んできた200作品以上の小説・エッセイを中心とした選書アーカイブ。好きな本、苦手だった本、最近の気分、仕事のこと、休日の過ごし方。そんなことをスタッフとおしゃべりしながら、今のあなたに合いそうな本を最大5冊までご提案します。
「最近まったく本を読んでいません」「小説を楽しめたことが一度もない」という方も大歓迎。むしろ、何を読んだらいいかわからない方にこそ来てもらいたい場所です。
私自身が選書するときは、全部を「絶対好きそう」で固めないよう、お選びする全5冊はなるべくバラエティに富んだラインナップになればいいなと心がけています。
ジャンルは、お仕事小説・恋愛小説・ミステリー・SF/ファンタジー・短歌・エッセイ・海外文学などなど。小説でいくとジャンルはおそらくほぼ網羅!お店にない本でも、過去に読了したおすすめの本があれば、PC画面に映しながら選書することもあります。
リピーターさんも多くいらっしゃることから、チャプターズの過去アーカイブに、私たちスタッフの最新の読書歴も加えて、お選びする作品は日々どんどん増えています!
ちなみに、小説紹介クリエイターのけんごさんにも実際にパーソナル選書を体験していただきました。
5.イチゼンブックス|毎月「今の自分」に合わせた一冊が届く
まずは月に一冊読みたい。そんな方に向いているのが「イチゼンブックス」です。毎月アンケートに回答すると、その内容をもとに一人ひとりに本を選び、一冊届けてくれるサブスク型の選書サービス。選ばれるジャンルは実用書・エッセイ・ルポルタージュなどが中心で、小説は少なめな印象です。
月額3,980円(税込)で、毎月一冊というペースがいいですよね。私は、2冊目が自分的にすごく気分に合っていて、ハマりました!また、ウェブサイトがめちゃくちゃ可愛くて、本のお届け時には簡単な選書理由も添えられており、代表の隅田さんのサービスへの愛情を随所から感じられます。
実際に試したときの様子は、こちらの動画(4:15頃〜)でも紹介しています。
6.文喫|本を選んでもらうだけじゃない。本屋で過ごす時間まで楽しむ
「入場料のある本屋」として知られる文喫。六本木をはじめ、現在は名古屋・栄、福岡・天神、高輪のBUNKITSU TOKYOなどにも展開しています。店内にはブックディレクターが選んだ3万冊以上の本が並び、珈琲や煎茶を飲みながらじっくり本と向き合うことができます。
そして文喫では、ブックディレクターによる選書サービスも提供されています。テーマやジャンルを伝えると、その場で本を選んでもらえます。私自身は利用したことがないのですが、文喫はそもそも選書にこだわった書店。その中からさらに選んでもらえるというだけで、信頼感があります。小説というよりは、デザインや思考に触れる本など、おしゃれな一冊に出会えそうな印象です。本を買いに行くというより、本のある空間ごと味わいに行く。そんな贅沢な時間を過ごしたい方におすすめです。
※ 店舗により営業形態や選書メニューが異なります。最新情報は公式サイトでご確認ください。
7.個人の選書家|「サービス」ではなく「人」で選ぶ、新しい選書のかたち
選書サービスは、もっと身近に。個人の「選書屋さん」も増えています。
ここまで書店や企業が運営する選書サービスをご紹介してきましたが、最近面白いなと思っているのが、個人で「選書」を仕事にする人たちが少しずつ増えていることです。
たとえば、スキルマーケットの「ココナラ」で「選書」と検索してみると、実にさまざまな個人の選書サービスが見つかります。年間数百冊を読む読書家が一冊を選んでくれるもの、ヒアリングシートをもとにジャンルを越えて3冊を選ぶもの、8冊をまとめて提案するものなど、スタイルもさまざま。
1,000〜1,500円ほどから利用できるサービスもあり、「まず一度、誰かに本を選んでもらってみたい」という方にも気軽な入口になっています。
そして、ここが選書の面白いところ。同じお客様から同じ相談を受けても、選書する人が違えば、おそらく選ぶ本もまったく違います。だからこそ「どのサービスを使うか」だけではなく、「誰に選んでもらいたいか」で選ぶのも、これからの選書サービスの楽しみ方なのかもしれません。
大きな書店や有名なサービスだけではなく、本が大好きな一人の読書家が、自分の経験や感性を生かして誰かのために本を選ぶ。「選書する人」という仕事が、少しずつ身近になっている。書店を営む私としても、この流れはとても嬉しく感じています。
チャプターズ認定の選書家、個人で活動する「選書マイスター」
実はチャプターズでも、「本を選んでもらう人」だけではなく、「誰かのために本を選べる人」を増やしたいという思いから、「選書マイスター養成講座」を開催しています。そして現在、上級まで取得した「Chapters公認 選書マイスター」の中には、実際に個人で選書活動を始めている方もいます。
InstagramなどのSNSで予約を受け付けたり、オンラインでお客様とお話ししながら選書をしたり。「近くに選書サービスのお店がない」「東京まではなかなか行けない」という方でも、オンラインなら全国どこからでも選書をお願いできます。
これまで「選書してもらう」といえば、有名な書店や書店員さんにお願いするイメージが強かったかもしれません。でもこれからは、
この人と話してみたい。
この人なら、どんな本を選んでくれるんだろう。
そんなふうに、サービスではなく「人」から選書を選ぶ時代になっていくのかもしれません。チャプターズでは、選書マイスター上級取得者の一覧とSNSをご紹介しています。気になる選書マイスターがいたら、それぞれのSNSから現在の活動内容や予約方法をぜひチェックしてみてください。
チャプターズ公認 選書マイスター一覧へ →チャプターズ選書マイスター養成講座へ →
「私も誰かのために本を選んでみたい」と思ったら
ここまで読んで、「選書してもらうのもいいけれど、私は選書する側をやってみたいかも」と思った方へ。チャプターズの「選書マイスター養成講座」では、単にたくさんの本を読むのではなく、人のために本を選ぶための考え方を学びます。
普段から本をたくさん読んでいても、いざ「この人のために本を選んでください」と言われると、意外と難しいもの。好きな本をおすすめすることと、その人のために選書することは、似ているようで、少し違います。
相手の読書歴やその日の気分、会話のなかから「いま、この人に届けたい一冊」を思い描く。その視点を、講座では一つずつ丁寧に学んでいきます。本が好きで、いつか誰かのために選んでみたい。そんな方は、ぜひ一度のぞいてみてください。
まとめ|選書サービスは「自分では選ばない」を楽しむ入り口
今回は、現役書店主の視点から2026年におすすめの選書サービスを7つご紹介しました。対話型・サブスク型・カルテ型・個人依頼型と、選び方はさまざまですが、共通しているのは「自分では選ばなかった一冊」に出会えること。
「何を読めばいいかわからない」その入り口に立っているなら、それはきっと、新しい一冊と出会えるサインです。気になった選書サービスを、まずは一つ試してみてください。
一番気軽なのは、チャプターズの無料選書診断かなと思います。全部でおよそ200通りの選書結果が用意されていて、何度やっても無料なので(笑)、ぜひお気軽に試してみてくださいね。
選書サービスについて、よくある質問
選書サービスとは何ですか?
書店員や読書家など本に詳しい人が、あなたの好みや読書歴、悩みをもとに本を選んでくれるサービスです。実際に会話する対話型、毎月届くサブスク型、フォームで伝えるカルテ型、個人の選書家に依頼するタイプなどがあります。
選書サービスの料金の相場は?
タイプによって幅があります。個人の選書家なら1,000〜1,500円ほどから、サブスク型は月3,000〜4,000円前後、まとめて選書してもらうカルテ型は1万円前後が目安です。送料やラッピング込みのサービスもあります。
無料で使える選書サービスはありますか?
あります。たとえばチャプターズでは、LINEで質問に答えると過去200作品以上の選書から本を提案してくれる無料選書診断を体験できます。まず気軽に試したい方の入り口におすすめです。
自分で本を選ぶのと、何が違いますか?
自分で選ぶと、どうしても好きな作家やジャンルに偏りがちです。選書サービスは、あなたの好みを広げたり、予期せぬ一冊に出会える可能性を与えてくれます。書店では扱いが少ない掘り出し作品や絶版本が紹介される可能性があるのも魅力です。
どの選書サービスが自分に合いますか?
パーソナルな感覚を体験したいなら対話型、読書習慣もつけたいならサブスク型、時間がない・対話は緊張するならカルテ型がおすすめです。スタイルがさまざまな個人の選書家さんにお願いするのも◎ この記事の比較表も参考にしてみてください。
各選書サービスの公式サイト・リンクまとめ
この記事で紹介した選書サービスの公式サイトをまとめました。気になったサービスから、ぜひのぞいてみてください。


