こんにちは、Chapters書店主の森本萌乃です。
今回は、地元民がお勧めする「三軒茶屋」を舞台にした美味しい小説4作品をご紹介です!
ご飯が美味しそうな小説だけに括っても、たくさんありました。さすが三軒茶屋!
あまり知られていない本もあるので、三軒茶屋在住・出身・勤務の方々、必見です。
紹介する人
オンライン書店を運営する小さな会社の代表。小説・エッセイをメインに月数十冊に目を通す。愛読書は『アルケミスト』と『その手を握りたい』。旅先での読書が人生のご褒美。
尚こちらの記事は、以下動画でも視聴いただくことができます。
動画・ブログ、お好きなスタイルで本の紹介をお楽しみ頂けたら嬉しいです。
ビアバーで繰り広げられる短編ミステリー『花の下にて春死なむ』北森鴻 著 (講談社文庫)
読みやすさ・ジャンル
★★★★☆(一話完結 短編集)
あらすじ 世田谷の三軒茶屋のビアバー「カナヤ」というお店を舞台に、マスターがお客さんの悩みを解決していく連続短編ミステリーです。
感想 マスターの料理のお勧め力がすごくて、読むだけで本当にお腹が空いてきます。ビアバーのサーバーから注がれるビールのまあ美味しそうなこと!ご飯にもこだわりがあり、暗めの照明で玄人っぽい雰囲気が魅力的のバーで展開される短編小説集です。
この本は想定が現代風にリニューアルされていて、私も手に取るきっかけになりました。昔の想定だったら手に取らなかったかもしれません。マスターが出してくれる料理の描写がリアルで、例えば「今日は合鴨の肉が入ったので白ねぎを乗せて出しますね」というようなシーンがあり、本当にお腹が空いてしまいます。
お出汁が香る絶品日本料理屋『よりみち酒場 灯火亭』(石川渓月 著 / 光文社文庫)
読みやすさ・ジャンル
★★★★★(連続短編集)
あらすじ 小料理屋「灯火亭」に訪れるお客さんを温かい料理で迎え、少しずつ解決していく連続短編です。
感想 店主が女装の男性という特徴的な設定が面白く、初めて訪れる飲食店のドキドキ感を一緒に楽しめます。一見気難しそうに見えて、温かい雰囲気の「灯火亭」はあなたも常連になること間違いなし。昔ながらの居酒屋の一品料理が魅力的です。
この本は3年前に光文社の担当者さんに教えてもらい、東京駅や品川駅でよく売れているという話を聞きました。出張帰りのビジネスパーソンが新幹線に乗る前に買って読むという光景が目に浮かびます。特に第1章の「故郷の味」では、奄美大島の鶏飯が登場、そのほかの章も店主の個性的なキャラクターと料理の腕が光ります。
夜空のうんちくと共に楽しむバー『三軒茶屋星座館』(柴崎竜人 著 / 講談社文庫)
読みやすさ・ジャンル
★★★★☆(連続短編集)
あらすじ バーでプラネタリウムを映し出し、バーテンダーのお兄さんがギリシャ神話の話を交えてお客さんの悩みを解決してくれる物語です。
感想 夜に読むのに最適な作品で、星空の世界に連れて行ってくれる素敵な本です。三軒茶屋の三角地帯がモデルの場所を探す楽しみもあります。
この本は三軒茶屋に住んでいる人たちのバイブルのような存在で、バーでプラネタリウムを映し出すという設定が非常にロマンチックです。夜空を見上げながら星の話をするというのは、なんとも素敵な時間の過ごし方だと思います。全部で5章あり、月曜日から金曜日まで、1日1章眠る前に読むのも大変おすすめです。
夜だけオープンするパン屋さん『真夜中のパン屋さん』( 大沼紀子 著 / ポプラ文庫)
読みやすさ・ジャンル
★★★★☆(長編小説)
あらすじ 夜中11時から朝方5時まで営業するパン屋「ブランジェリークレバ」の物語。社会問題にも触れながら、温かいパンの香りが魅力的です。
感想 対象年齢が広く、大人も楽しめる作品。社会問題を反映した内容が深く、読み応えがあります。
この本は表紙がライトノベル風で、一見すると大人向けではないかもしれませんが、実際には非常に深い内容です。特に親のネグレクトやいじめといったシリアスなテーマにも触れていますが、パンの温かさがそれを和らげてくれます。
まとめ
三軒茶屋が舞台の美味しい小説を4冊ご紹介しました。ぜひ、これらの本を読んで三軒茶屋の魅力を再発見してください。チャプターズブックストアでも一部の本を取り扱っていますので、興味がある方はお立ち寄りください。
◆ビアバーで繰り広げられる短編ミステリー
『花の下にて春死なむ』北森鴻 著 (講談社文庫)
◆お出汁が香る絶品日本料理屋
『よりみち酒場 灯火亭』(石川渓月 著 / 光文社文庫)
◆夜空のうんちくと共に楽しむバー
『三軒茶屋星座館』(柴崎竜人 著 / 講談社文庫)
◆夜だけオープンするパン屋さん
『真夜中のパン屋さん』( 大沼紀子 著 / ポプラ文庫)