こんにちは。恋する書店・チャプターズを運営する、株式会社MISSION ROMANTIC代表の森本萌乃です。
「本棚で手と手が重なるような出会いを生み出したい」
そんな個人的でささやかな願いから始まったサービスは、気づけば多くの方に支えられ4年目を迎えました。
そしてこの春、チャプターズに続く新たな挑戦として生まれたのがチャプターズ「選書マイスター養成講座」です。
チャプターズを愛しすぎて、新規事業をほとんど立ち上げなかった話
会社としては現在7期目を迎えた弊社で、新規事業は今回で2つ目。
ベンチャー企業として、挑戦の数は少ないと思います。
もちろんアイディアはたくさん考えていたのですが、一歩を踏み出せなかった一番の理由は、ずばりチャプターズが好きすぎるから。笑

チャプターズは決して運営が効率的なサービスではありません。手間もコストもかかる、どちらかというと“手のかかる子”。ですが、そのすべてが愛おしく、そこで出会うお客様もまた大切で、だからこそなんとか続けてこられている現状です。
チャプターズに注ぐ気持ちと同じくらいの愛情が持てないと、サービスは続けられない。
新しい事業を始める時に必要な熱量や愛情については、私自身がとてもよく理解していました。それゆえ何度も何度も企画を考えては壊し、閃いては保留し…。この7年、日の目を見ずに終わったアイディアは数知れません。
そんな中でようやく、「これは届けたい」「これはきっと、誰かの人生を面白くできる」と確信できたのが、この『選書マイスター養成講座』です。
正直、ローンチ前は毎回つらい
ローンチ前って本当にいつも吐きそうで、イライラして、緊張して…
情緒が揺れるあまり、私の場合はお酒の量が極端に増えます。これが現実。
チャプターズのローンチも、本の出版も、お店のオープンも、いつもイライラしながら全く酔えずにお酒を飲んでいた記憶があります(絶対によくない)。
こんなことはきっと書かなくてもいいのかもしれないけれど、新規事業が立ち上がり、振り返っていま文章にしてみると、とても順調そうで表面的な文章になってきていたので、ちょっと本音を交えてみました。
とりえあえずまあ、そんなこんなで、今回も例の如く情緒乱れまくりで迎えた「選書マイスター養成講座」のローンチ。
情報解禁から1ヶ月弱で、すでに多くのお申込みを頂いております。
本当によかった…💭😮💨
気持ちもひと段落ついたので、「選書マイスター養成講座」立ち上げの背景を少し振り返ってみたいと思います。

読書に遠慮する時代に、私たちができること
書店主として日々お客様と接する中で、これまで幾度となくこんな会話を繰り返してきました。
「本は読みますか?」と聞く私。
「はい、月に数冊は…あ、でも全然大したことなくて」と答えるお客様。
まるで“本が好き”と名乗ることに気後れしているような反応がよく返ってくるんです。
たしかに、読書家というと「賢そう」「難しい本を読んでいそう」というイメージが先行します。
それからなんとなく、メガネをかけていて、物知りで、学歴が高くて、といったお利口さんなイメージが続き…
「自分なんてとんでもない!恐れ多い!」
そんな風に言い留まってしまうのかもしれません。
私も、20代後半から読書にハマり、30歳目前に素人同然で書店を開いたので、その気持ちがとてもよく分かります。学生時代は校庭にいるタイプで、図書委員よりも文化祭実行委員に立候補していたようなお調子者の人間。
そんな私が言うのもなんですが、というか私だからこそ思うのですが、読書って、もっと自由で、気軽で、適当でいいと思うんです。そうでないと、私は私自身もサービスも信じてあげることができません。
参考にしたのは「ワインエキスパート」
“読書好きのお墨付きやお守りのようなものを作りたい。“
そんな構想を進める中でヒントになったのが、「ワインエキスパート」でした。
ソムリエと違って、実務経験が不要で誰でも受験できるこの資格は、ワインを愛する多くの方に開かれた肩書き。
これは本にも応用できる!
ピンときました。
さらに、本好きのお墨付きをもらう一番の醍醐味は、その人もまた誰かに本を薦めて信じてもらうことだと思いました。
私は毎月、オンラインのチャプターズで3冊を選書をしているのですが、この選書を心待ちにしてくださっているお客様が自分自身のやりがいや生きがいでもあります。誰かが待っていると思うと、単なる趣味の読書だって、もっともっと楽しくなります。
また、市ヶ谷のブックカフェ・チャイと選書では、対面でお一人お一人にパーソナル選書を行っており、こちらもまた、お薦めした本を熱心にメモしたりどっさり買って帰ってくれたりすると、その日一日をとってもいい気分で過ごせます。


知らず知らずのうちに私が日々行っていたルーティン、何を隠そうこれこそが、私の自信になっていたのでした。
つまり、「選書すること」こそが本好きの“お墨付き”のいちばんの対価なのです。
選書を通じて感じられるこの喜びが、学びの一番の対価となるように、チャプターズの提供するお墨付きは、本好きさん認定ではなく選書認定であるべき。
そうしてたどり着いたのが、「選書マイスター」という名前です。
価格・期間・実感・副業。4つの条件を満たす講座に
ワインエキスパートを起点に始まった、「選書マイスター養成講座」の事業開発。
すでにある本に関する資格について調べてみると、文部科学省公認の図書館司書、民間では一般社団法人 出版文化産業振興財団が主催するJPIC読書アドバイザーの2種類を見つけました。
図書館司書は、過去に自分でも取得しようと思って調べたことがあったので、結局挑戦しなかった理由について考えてみると、1つの大きな理由は費用感でした。受講料と試験料を合わせて13万円が最安値といった相場で、いやいやそこまでは…と調べ始めて早々に脱落。
そしてもう一つは期間。通信制を選ぶと1年間はかかるとのことで、短期集中型の自分に合ってるか不安でした。
一方JPIC読書アドバイザーは、講義の内容が全て魅力的で、全8回と無理なく取得できそうだなと感じたものの、内容が講演会の聴講に近く、もう少し学びの実感があるものを自分は求めているなあと気がつきました。
ということは、チャプターズとして本好きのお墨付きになるような新規事業を始めるにあたっては
- 無理ない費用感(10万円を切る)
- 取得期間が短い
- 学びの実感がある
の3点をクリアする必要がありました。
さらに私はおまけが大好き!どうせ資格を取得したなら、なにか新しい展開も待っていないと楽しくないなと思い、
- 副業開始のお手伝い
を付け加え、チャプターズの「選書マイスター養成講座」の中身作りに入っていきました。
講座制作の裏側。全て手作業で、30冊を10時間分の動画に
事業の方向性が決まり、開発の日々です。
選書マイスターは、日本全国から参加できるよう全てをオンラインで展開すると決めたので、教材となる動画をひたすら撮り溜めていきました。
選書マイスターのために、チャプターズの過去選書の中から30冊を厳選し、すべてを再読。私が私らしく作品の魅力を語ることは、仕事柄すっかり慣れていましたが、その先にいる受講者の皆様が、自分らしく作品の魅力を語れるようにと手引きするのは想像以上に難しかったです。
更に、元々の本好きさんだけでなく、この講座で0から胸を張って読書家を名乗り選書の副業を始めたい方もいると思ったので、ほぼ初めて小説を読む方にも配慮したような内容をとなると、どうにも一つ一つの動画が長くなってしまいました。
読んで、撮って、周囲の方から意見を聞いて(全く本を読まない人の意見もかなり参考にしました!)、また撮り直してのプロセスを何度も繰り返し、かっこよく効率的に撮影を進めるはずが、結局100%の人力でした。
不安で眠れないし、本読まなきゃいけないから仕事も進まないし、これがきっとイライラの大きな原因ですね笑。
1本あたり10〜20分の動画を30本、総再生時間およそ10時間にも及ぶ大ボリュームの講義コンテンツは、ぜひ選書マイスター養成講座の中でご体験ください。

10時間喋り続けた中で、苦しいながら確信できたこともありました。
やっぱり、人からお勧めされるエンタメって最強だということ。
当初はChatGPTに台本作成をお願いしてみましたが、まったく心に響かない。
正確なあらすじよりも、強烈な一人の読書体験が、またその先の一人を動かすことを発見しました。
もう一つ。
「選書マイスター養成講座」のために、市ヶ谷のブックカフェ”チャイと選書”で細々と実施してきたパーソナル選書についても、接客のフローや選書した作品のデータ化を1年弱かけて行っています。
私たちが楽しければいっか、くらいの心持ちで始めたので、最初は本当にただの本好きのおしゃべりの延長線だったのですが、続けているうちに確かな選書のコツが見えてきて、実績をまとめると数字が根拠になってきて、接客のトライアンドエラーを積み重ねたことで、学べば誰でもパーソナル選書ができるような状態にまでマニュアルを落とし込むことができました。

効率!テクノロジー!そんな時代に、機械が作り出せないものは一次情報です。
人間が得意なこと・AIが得意なこと、この区別を理解し、今回の事業開発は意図せずAI時代の自分の働き方にも大きな気づきを与えてくれました。嫌煙されがちな属人化や人力のサービスですが、ここに心を込めている事業者こそが、今後のAI時代との相性が良いんじゃないかな〜なんて思ったり。独り言です。
講座は3ステップ構成選書マイスター講座:3つのステップ
と、思春期の恋愛くらいに独りよがりであつあつの熱量を背負い始まった選書マイスター養成講座は、ありがたいことに現在多くのお申込みを頂いております。
副業認定のある上級は、やる気次第で最短3ヶ月で取得可能!
全員が受講必須の初級では、選書の解説動画だけでなくオリジナルのテキストブックを駆使した1時間の授業動画もつけることで丁寧な学びを実感いただけるようになっています。
初級取得のあとは、中級に進むもよし、飛び級で上級に進むもよし。
中級の内容は全て上級に含まれているので、ちょっと気合いを入れて初級のあとはすぐに上級のチャレンジをお勧めします。
そして私が最もネックに感じていた価格は、サービス設計を工夫し初級+上級取得で税込5万円程度に馴染むよう頑張りました。
嬉しいのは、地方在住の方の多さ!
書店がどんどん閉店していく現実に対し、選書マイスターは本を広める新たな力を秘めています。書店員さんだけでなく、地元のカフェで、ネイルサロンで、美容室で、接骨院で、施術と共に選書マイスターの活動を始めてくださる方々が増えたら嬉しいです。

◼ 初級(受講料:8,250円/税込)
全員が受講する初級では、「まずは本が家にある状態をつくる」ことを目的に、厳選した3冊の書籍とテキストブックをご自宅にお届けします。
動画講義では、あらすじだけでなく、読後の感想、選書のポイントなどを丁寧に解説。本を読むことへの心理的ハードルを下げると同時に、読書を“誰かに薦める”視点で楽しむ土台を育みます。
初級取得は1時間程度で簡単◎試験料も込み(何度でも再試験可能!)なので安心して始めてみてください。
◼ 中級(受講料:33,770円/税込)
中級からは「選書を実践する」ステップへ。自身が選書する立場になって、どうすれば相手にぴったりの本を提案できるのかを学びます。
中級取得後は、お金を頂かない形で、周囲の人に選書が可能です。副業はしたくないけれど、自分の本の感想をもっと上手く言語化できるようになりたい、そんな方におすすめです。
◼ 上級(受講料:41,800円/税込)
上級は、実際に選書マイスターとして活動できるレベルの実践力を養います。
全30作品に触れ、「伝える力」を深めていきます。
講座の修了後は、チャプターズ公認の選書マイスターとして、副業や店舗運営などご自身のペースで活動を広げていくことも可能です。

副業については、選書マイスター養成講座の上級で触れる選書リスト30作品を素地とし、ミステリー好きはミステリーを強化したり、海外文学好きは海外文学を強化したり、エッセイ・恋愛小説・青春小説などなど、自分だけの持ち味を活かせることも選書マイスター上級取得後の楽しみです。
選書マイスターは十人十色!あなたの個性を存分に活かして欲しいです。
モデルさんも現役チャプターズのお客様にご依頼
今回の選書マイスター養成講座でウェブサイトの撮影に協力いただいたモデルさん3名は、皆様チャプターズのユーザーさん。
リアルな雰囲気を出すため日頃から本に触れる方にお願いと考え、結果的に素晴らしいキャスティングとなりました。冒頭に少し触れた、本好きの先入観を覆す明るさや自分らしさ、生活を豊かにする術として読書を取り入れる方を体現してくださった3名に心から感謝です。

また、私が現在35歳。
サービスを始めた時は20代だったけれど、すっかりいろんな場所で年長者になることが多くて笑。
チャプターズが目指す世界を思うと、私より若い世代にもっともっと興味を持って頂きたいと考えていたので、そういった意味でも今回若い世代の方々とご一緒できて大変光栄でした。
一人ひとりの「好き」が、大きな花束になる
もっと気軽に、広く読書体験を届けいく。
チャプターズは、読書初心者や久しぶりに本を手に取る人に向けて、「間違いない一冊」を届けることを大切にしてきました。これまで蓄積した200冊を超える選書リストは、そのひとつひとつに「誰かの読書熱を再燃させたい」という想いが込められています。
選書マイスター養成講座では、それらの作品を更に厳選して30作品にまとめあげたので、これはもう、ラーメン屋でいうと秘伝のタレのレシピを公開するような気持ちです笑。
私たちがお渡しする本好きのお墨付きを、多くの人と共有していただき、1万人の選書マイスターから、1万人の新たな本好きが生まれていく。この小さな連鎖を、チャプターズから始めていきたいと考えています。友達同士や職場の会話、家族との何気ないやりとりの中で、「最近読んでよかった本ある?」という話題を全国で一つでも多く増やしていくことが、この講座の目指す最終的な未来です。
コミッションなし。副業収入は全て選書マイスターご本人へ。
選書マイスター取得後の副業は、毎年の年会費以外収益は全て選書マイスターご本人に還元されます。
20分で1500円、100%が利益。
この利益額を創出するためには、一般の書店であればおよそ7500円分の本を売る必要があります。小さいようで大きなお金。出版・書籍業界の薄利多売の実情に対して、「選書」が新たな切り札として未来を切り拓いていく可能性を信じています。
自分の言葉で、自分の感性で、誰かの本との出会いをつくる「選書」。
それは、書店で本を並べることとも、出版社で編集をすることとも違う、また新しいかたちの本の届け方です。
これから先、やり方次第では選書マイスター一本で生活していくプロの方が出てくるかもしれません。
そんな未来が本当に訪れたら、なんて面白いんだろうと思います。
そのときはぜひ、私もその方の選書を習いに伺いたいです。
すっかり長くなってしまいましたが、
これを読んでくださっているあなたが、私たちと一緒に本の輪を広げていく仲間になって下さればと願い、締めくくりたいと思います。
みなさま、選書マイスター養成講座でお待ちしております!📚🖐️

チャプターズの選書をまずは体験してみたい、という方はLINEの無料選書診断もご利用ください。
副業ってどんな感じ?そんな方は市ヶ谷のブックカフェ・チャイと選書のパーソナル選書でお待ちしています。こちらから予約にお進みください。