“大人が読みたい青春小説”
※3/25開催のイベントにご参加希望の方は、こちらの本をご選択ください。
タイトル:『青い春を数えて』(武田綾乃 著 / 講談社文庫)
ページ数:240ページ
ジャンル:連続短編小説(忙しい方も1章読めばイベント・アペロに参加可能です)
読了しやすさ:★★★★
アオハル度: ★★★★★
青春の一言では片付けられない一冊。
5人の女子高生目線で描かれた連作短編集をご紹介です。
主人公は、一度の失敗がトラウマになり次への挑戦が怖くなってしまった放送部員、合理主義のため入試に関係ない科目は勉強をしない受験生、天然で愛嬌のある姉の影に隠れ、できて当然と思われているしっかり者の妹など。
高校を舞台にした正真正銘の青春小説ではあるのですが、閉じられた環境でほど自我が生まれたり、自分の繊細で嫌いな部分と対峙したり、自尊心と劣等感が交錯しまくる令和の青春小説は、大人が読んでも痛みや苦しさを感じずにはいられません。懐かしさだけではなく、強烈な自分ごととして捉えてしまう物語の強さがありました。
“ぶつかるから苦しいのに、ぶつからないと苦しみから抜け出せない”(本文より引用)
SNSやジェンダーなどの現代的なテーマを扱っており、現役女子高生からの支持も熱い本作ですが、全世代に読んで欲しくて今回選書。登場人物が全員文化部あるいは帰宅部という点も、青春ジャンルの中ではユニークなポイント。
胸がぎゅっとなるのに後味は爽快、これこそ青春の強さでしょうか。
連続短編ですが、章を追うごとにハマるのでぜひ読了をお勧めします。装丁、各話のタイトル、登場人物の淡いつながりにもぜひ注目してみてください!
推薦文寄稿:文学YouTuberベル & Chapters書店主 森本萌乃
【サイン本のお届けについて】
今回チャプターズでは、作家・武田綾乃さんのご好意でサイン本をご用意しております。
10冊に1冊をサイン本でのお届け!遠方にお住まいでイベントにお越し頂けないお客様にも楽しんで頂けるようにと準備を進めました。ランダムでのご送付ではありますが、どうぞお楽しみに。
“大人が読みたい青春小説”
ページ数:234ページ
ジャンル:エッセイ集
読了しやすさ:★★★★★
アオハル度: ★★★
“犬は絶対に飼ってはいけないと何年間も親から言われ続けてきたが、何年間も我慢してきたのだからもういいだろう”(本文より引用)
私はこの文章を読んだ瞬間に噴き出してしまいました。
さすが平成の清少納言!日常風景もあっという間にユーモアで包み込んでしまいます。
本作は、長年日本のお茶の間を賑わせてきた人気アニメの作者による、自伝的エッセイ。中高時代から漫画家デビューに至るまでの等身大の彼女の青春が描かれています。
とはいっても、基本はぐうたら(笑)。一番楽だからと全く興味のない物理部に入部し、夏休みは友達に誘われた海にさえ行かない。
そう、何もしない!
その一方で、異性に対して潔癖な態度をとること、お金持ちの友達が羨ましいこと、やっぱり漫画家になりたいこと…
大人になった今だからこそ思春期特有の繊細さを思い出して胸にこみあげるものがあり、時にはほろりときてしまうことも。
1テーマ10ページ弱で、まるで漫画のような読み口。
年度末で忙しい人も、隙間時間で“アオハル”できるおすすめの1冊です。
推薦文寄稿:文学YouTuberベル
“大人が読みたい青春小説”
ページ数:188ページ
ジャンル:長編小説
読了しやすさ:★★★
アオハル度: ★★★★★
"青春"ってなんでしょう、"青春時代"っていつのことでしょう。
本作は、「ありきたりな青春小説には食指が伸びないけど、一癖あるものなら読みたいな」という方に心からおすすめしたい一冊。10代の健全さと不健全さを、ここまで鮮やかに言語化し追体験させてくれる作品は、なかなか出会えないのではないでしょうか。
主人公は、ちょっと周りに馴染めない高校生の男の子。友達や家族との不和に直面しながら、とある趣味を通して自分自身の心と身体に一生懸命向き合って悩み考える、1年間を描いた長編小説です。
少年少女から大人になろうとしていたあの時、心の中で悶々と考えていることをうまく言葉にできず、心身のアンバランスにもがき苦しんだ経験は誰にでもあるのではないでしょうか。あの時の言葉にならないモヤモヤを、気鋭の純文学作家が巧みに描き出してくれています。朴訥とした主人公を通して、こんな風に心を覗けたりもっとうまく話せたら、仲良くなれていたかもしれない学生時代の彼や彼女に想いを馳せながら読み進めるのがお勧めです。
私にとって青春は、若さゆえに猪突猛進で、今思うと顔をしかめてしまうほど苦く恥ずかしいものだけれど、当時にしかないきらめきが確かに存在する不思議な時代。少しでも共感してくださる方は、ぜひ本書をお手に取りください。
推薦文寄稿:BookTuber 梨ちゃん
“大人が読みたい青春小説”
ページ数:672ページ
ジャンル:長編小説
読了しやすさ:★
アオハル度: ★★★★★
このお話で描かれるのは、大学生の青春。部活動を通じて成長していく1年間の物語です。
物語の始まりは、まだ肌寒い3月の夜。ひょんなことから大学の弱小陸上部へ入部した元天才ランナーの主人公は、陸上経験のない寄せ集めの部員と共に、箱根駅伝出場を目指すことに。
明るくてちょっとおバカな部員たちの日常は、読んでいるだけでクスッと笑える明るさに溢れています。しかし部員それぞれの視点から物語が語られたとき、各々が抱えている悩みや繊細さにスポットが当たり、たちまち応援せずにはいられない衝動に。
物語の終盤の疾走感は、読了後何年経っても、ふとした瞬間に思い出して元気をもらえることでしょう。
誰もが胸を熱く焦がされる、THE青春な学園小説です。
かなりの長編ですが、今月"熱"を発する物語をお探し中のあなたはこちらをぜひ。
推薦文寄稿:BookTuber とうふの本棚
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