“今年こそ”
ページ数: 349ページ
読了しやすさ:★★★★
教養度:★★
今年こそ・・・”貯金、お金の管理を頑張りたい”。
今の日本のニュースを見ていると、自分の将来への漠然とした不安が消えません。そろそろお金のこと、真剣に考え始めなくちゃなあ...年代問わず時代が焦燥感を掻き立てる2022年、今年こそ、少しずつお金に向き合ってみませんか。
本作はあくまでも小説、ですが!現実よりも現実的です。それはきっと、お金の話をこんなにあけすけにリアルな人間関係の中では話し合わないからなのかなと思い、小説である所以、そして醍醐味を感じ今回選書しました。
ロマンチストはきっと、書店で手に取らないようなかなり直接的なタイトル。性格の異なるそれぞれの主人公にフォーカスを当て、お金の使い方や貯め方をいろんな視点で描く連続短編集です。
2021年文庫化の新作で、読みやすくってためになるのに、物語としても面白い!
今年はどんな一年にしようか...ゴロゴロ考えながら読み進める年始の読書はじめにも最適です。
“今年こそ”
ページ数:185ページ
読了しやすさ:★★
教養度:★★★★★
今年こそ・・・”ファッションを見直したい、体型改善をしたい”。
新年の読書というものを考えた時、新しいことを学ぶのには最適な機会なのかもしれないと思い、今回チャプターズでは珍しく思想や学術の類に入るアカデミックな一作を選書しました。
本作は、おしゃれとしてのファッション、いわゆる着こなしやトレンドを説くようなHOW TO本ではありません。
自分の身体を自分自身で捉えることは難しく、自分が自分の身体について知りうる情報は、実は乏しいと説く作者。そうした前提の元で洋服の意義や機能について触れ、「ずらし・はずし・くずし」のちぐはぐさこそがかっこいいというファッションの話へ。
そう、本作は学術書ですが読みやすくって面白いんです。
身体論・現象学を専門とする哲学者として長きにわたり大学で教壇に立ち、ファッションに関する書籍を何作も出版されている作者。調べてみると、本作は彼の作品の中でも特に読みやすい導入編として知られ、ファッションに携わる仕事をする方は必読とも言われているそう。
おしゃれが好きな方はもちろん、なぜ自分はおしゃれに無頓着なのかと、自分とファッションの距離が遠い方・体型に何かの悩みを持つ方も楽しめる一作ですし、物語しか普段読まない方にも新鮮な体験となるでしょう。
今年はアカデミックにファッションを考える読書始めなんて、いかがでしょうか。
“今年こそ”
ページ数:208ページ(60の短編エッセイ集。忙しい方にもおすすめです。短編はアペロにも参加しやすいです。)
読了しやすさ:★★★★★
教養度:★
今年こそ・・・”丁寧な暮らし、自分の時間を大切にしたい”。
ちょっとしたことを大切にする、マイルールをつくる。
日常生活をきらめかせる秘訣はほんの些細な心がけ一つだと、改めて教えてくれる作品です。
早起き、掃除、挨拶...読了後は、ついついおざなりにしてしていた生活のルーティーンを見直し、実践したくなるかもしれません。
なぜなら本作、日々作者が実践されているからこそ出てくる言葉の数々で埋め尽くされているから。
難しくはないのにできなかったこと、新年を機にどれか一つだけでも始められると、きっと素敵な年の幕開けになりそうですよね。
約60の短いお話しが連なる本書は、読みやすさも今月ピカイチ。怠惰で忙しない日々を送る選書者(森本)としてはかなり耳の痛いお話も多かったですが、するする楽しく読み進められたので選びました。
誰かに言ってもらいたかったことを、言ってもらえる。
大人だからこそ胸にしみる当たり前のお説教がとっても気持ちいいです。
もしも読了できず途中で止まってしまっても、アペロで盛り上がれるのがエッセイのいいところかなとも思います。「どれが好きだった?」「こんなこと、できるかな?」アペロで自分が気になったものについて話すのも、新年らしくて楽しそう。
“今年こそ”
ページ数:208ページ
読了しやすさ:★★
教養度:★★★★★
今年こそ・・・”独り立ち、新しいことに挑戦したい”!
本作は、主人公の少年がピラミッドを目指し一人旅に出かける物語です。と、あらすじだけ読むと青春冒険小説のような言葉で例えることになってしまうのですが、タイトルを明かさないチャプターズだからこそ、前情報なしに出会ってほしい一作。
旅を進める中で、主人公の前に立ちはだかるたくさんの選択・意思決定。一つ一つの積み重ねが主人公の教訓となり、成長する姿を見て、いつの間にか読者も一緒にこの旅に参加しているはずです。
小説ですが、ビジネス書が好きな方にも大変愛される物語。あのオバマ前大統領も愛読書に挙げる、世界中の言葉で翻訳される不朽の名著です。
2022年、この本で読書始めができる方、正直羨ましいです。
金言溢れた壮大な冒険小説の世界を楽しんだら、今年は絶対、恐れずやりたいことに挑戦できるいい年になりそう!