Chapter 1
Latest Lineup
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2021
年
7
月
今月の選書テーマ
ディスカバージャパン
世界が突如分断されてから
迎える、2度目の夏。
まだまだ自由には
出かけられないけれど、
人間には想像力がある。
だから、きっと心持ち一つで
どこにだって旅に行ける。はず。
今月は日本各地へ!
選ぶのは、本ではなく旅先です。
タブから気になる作品を選ぼう!
本のイントロと選書ポイント
読了しやすさ:★★★
鎌倉に行きたくなる度:★★★★★
ページ数:346ページ(長編小説ですが、一章完結型なので読みやすいです)
のほほん♪
そんな響きがぴったり似合う、鎌倉方面への夏旅はいかがでしょう。
鎌倉にひっそりと佇む商店を営む傍ら、先代から受け継いだ“手紙の代筆業”を請け負う主人公。(大変人気の作品のため、ここまでで察する方も多いかもしれません。)
主人公の元に舞い込む代筆の依頼は、どれも一筋縄ではいかないものばかり。今ではあまり聞かなくなった「手紙の代筆」ですが、依頼に合わせて紙質・ペン・書体などを選ぶ点は、カスタマイズやパーソナライズと近しい、現代的なサービスと同じ匂いを感じました。
小さな街の、小さなお店を中心に進むストーリー。
小説でありながら舞台を見ているような感覚に近く、ご近所さんのナイスキャラクターにも注目です。
鎌倉に実在するお店なども数多く登場するので、この本を読んだ後は、ぜひ鎌倉まで小旅行なんていかがでしょう。
メール一通で要件は済んでしまうこの時代、皆さんが最後に手紙を書いたのは、いつですか?
鎌倉に行きたくなる度:★★★★★
ページ数:346ページ(長編小説ですが、一章完結型なので読みやすいです)
のほほん♪
そんな響きがぴったり似合う、鎌倉方面への夏旅はいかがでしょう。
鎌倉にひっそりと佇む商店を営む傍ら、先代から受け継いだ“手紙の代筆業”を請け負う主人公。(大変人気の作品のため、ここまでで察する方も多いかもしれません。)
主人公の元に舞い込む代筆の依頼は、どれも一筋縄ではいかないものばかり。今ではあまり聞かなくなった「手紙の代筆」ですが、依頼に合わせて紙質・ペン・書体などを選ぶ点は、カスタマイズやパーソナライズと近しい、現代的なサービスと同じ匂いを感じました。
小さな街の、小さなお店を中心に進むストーリー。
小説でありながら舞台を見ているような感覚に近く、ご近所さんのナイスキャラクターにも注目です。
鎌倉に実在するお店なども数多く登場するので、この本を読んだ後は、ぜひ鎌倉まで小旅行なんていかがでしょう。
メール一通で要件は済んでしまうこの時代、皆さんが最後に手紙を書いたのは、いつですか?
読了しやすさ:★★
京都に行きたくなる度:★★★★★
ページ数:412ページ(長編小説)
日本の観光地といえば、京都!
歴史漂うこの街は、創り手に多くのインスピレーションを与えるせいか、毎年京都を舞台にした小説の中から選抜される「京都本大賞」なる賞まであるほどです。
そんな大人気の旅先「京都」の中でも、今回はアートな京都旅へと皆様をお連れします。
美術館の館長を務める妻と、家業の画廊を継ぐ2代目の夫。出産を控えた妻が京都での長逗留の中で出会う一枚の絵を中心に、物語は進んでいきます。
京都の旅、というよりも、普段は絶対に見られないような京都の上流階級の生活が描かれている点に、本作一番の魅力を感じました。画廊のパーティ、絵画の買い付け、祇園祭...この雅さ、ふと「日本版・グレートギャツビー」という言葉が浮かびましたが、皆様はどう感じるでしょう。
アート×物語の第一線をゆく、大人気の女性作家が描く京都の生活と日本画の世界。文中の京都弁があまりに美しく、ついつい声に出して読みたくなりました。
京都に行きたくなる度:★★★★★
ページ数:412ページ(長編小説)
日本の観光地といえば、京都!
歴史漂うこの街は、創り手に多くのインスピレーションを与えるせいか、毎年京都を舞台にした小説の中から選抜される「京都本大賞」なる賞まであるほどです。
そんな大人気の旅先「京都」の中でも、今回はアートな京都旅へと皆様をお連れします。
美術館の館長を務める妻と、家業の画廊を継ぐ2代目の夫。出産を控えた妻が京都での長逗留の中で出会う一枚の絵を中心に、物語は進んでいきます。
京都の旅、というよりも、普段は絶対に見られないような京都の上流階級の生活が描かれている点に、本作一番の魅力を感じました。画廊のパーティ、絵画の買い付け、祇園祭...この雅さ、ふと「日本版・グレートギャツビー」という言葉が浮かびましたが、皆様はどう感じるでしょう。
アート×物語の第一線をゆく、大人気の女性作家が描く京都の生活と日本画の世界。文中の京都弁があまりに美しく、ついつい声に出して読みたくなりました。
読了しやすさ:★★
香川に行きたくなる度:★★
ページ数:432ページ(長編小説)
通学路は瀬戸内海!高校3年生、島で過ごす最後の夏の青春物語はこちらです。
田舎独特の閉塞感や息苦しさをテーマとして扱い、Chaptersでも過去複数に渡ってご紹介してきた女性作家。彼女が「田舎の暮らしを肯定的に書いてみたかった」と挑んだ本作では、島に学校がないためフェリーで本土の高校に通う4人の高校生男女が主人公です。
性格や生い立ちがバラバラな彼らを繋ぐのは"通学路"、船着場での日常の待ち合わせは、青春の眩しさに勝手に胸を締め付けられました。作中に度々登場するフェリーのシーンは、まさに写真の風景そのものです!
本作の魅力は、島に古くから住む地元の人だけでなく、Iターンなどで移住してきた"よそ者"にもフォーカスし、島の生活のリアリティを描いている点。Iターン利用者はシングルマザーが多いという話は、選書者自身恥ずかしながら初めて知りました。
地方行政とお金の話なども生々しく登場し、そういったリアリティも含め、多くの世代が楽しめる、青春+ちょっぴりミステリーなエンタメ小説です。
香川に行きたくなる度:★★
ページ数:432ページ(長編小説)
通学路は瀬戸内海!高校3年生、島で過ごす最後の夏の青春物語はこちらです。
田舎独特の閉塞感や息苦しさをテーマとして扱い、Chaptersでも過去複数に渡ってご紹介してきた女性作家。彼女が「田舎の暮らしを肯定的に書いてみたかった」と挑んだ本作では、島に学校がないためフェリーで本土の高校に通う4人の高校生男女が主人公です。
性格や生い立ちがバラバラな彼らを繋ぐのは"通学路"、船着場での日常の待ち合わせは、青春の眩しさに勝手に胸を締め付けられました。作中に度々登場するフェリーのシーンは、まさに写真の風景そのものです!
本作の魅力は、島に古くから住む地元の人だけでなく、Iターンなどで移住してきた"よそ者"にもフォーカスし、島の生活のリアリティを描いている点。Iターン利用者はシングルマザーが多いという話は、選書者自身恥ずかしながら初めて知りました。
地方行政とお金の話なども生々しく登場し、そういったリアリティも含め、多くの世代が楽しめる、青春+ちょっぴりミステリーなエンタメ小説です。
読了しやすさ:★★★★
北海道に行きたくなる度:★★
ページ数:325ページ(短編エッセイ集なので忙しい方にもおすすめ!)
北海道のど真ん中。
THE大自然!な小さな田舎町への旅はこちらを。
本作は、夫婦+3人の子供の5人家族が、1年間の期限付きで北海道生活を送った実体験をまとめたエッセイ集です。章はそれぞれ3月~2月までの12ヶ月で構成されており、カレンダーを追うように読み進められます。
氷点下13度で「あら。今日は少し暖かい」と感じる北海道の大地で、日々新しい風景や気持ちに遭遇する著者。日を追うごとに逞しく成長する3人の子供達のエピソードは、一つ一つが可笑しくて愛おしくて、読者の中にはファンも多いとか。
期限付きの田舎暮らし。
町内会や町の行事に飛び入り参加する自分たちはお気楽で楽しいけれど、地元の方々の優しさに甘えて、本当にそれで良いのか。
ここで満たされているのに、なぜ都会に戻らなければならないのか。
ワーケーションや多拠点生活が広まり始めた現代の私たちとしても、楽しさの中に向き合いたい課題が見出せるかもしれません。
今回、他3作品がずっしりぶ厚めの長編小説だったので、選書中一番楽しくページをめくれた作品をセレクトしました。小説家として大成されている本作の著者ですが、日常生活はこんなにユーモアたっぷりなのかと、小説から入った選書者としては嬉しい驚きでした。
北海道に行きたくなる度:★★
ページ数:325ページ(短編エッセイ集なので忙しい方にもおすすめ!)
北海道のど真ん中。
THE大自然!な小さな田舎町への旅はこちらを。
本作は、夫婦+3人の子供の5人家族が、1年間の期限付きで北海道生活を送った実体験をまとめたエッセイ集です。章はそれぞれ3月~2月までの12ヶ月で構成されており、カレンダーを追うように読み進められます。
氷点下13度で「あら。今日は少し暖かい」と感じる北海道の大地で、日々新しい風景や気持ちに遭遇する著者。日を追うごとに逞しく成長する3人の子供達のエピソードは、一つ一つが可笑しくて愛おしくて、読者の中にはファンも多いとか。
期限付きの田舎暮らし。
町内会や町の行事に飛び入り参加する自分たちはお気楽で楽しいけれど、地元の方々の優しさに甘えて、本当にそれで良いのか。
ここで満たされているのに、なぜ都会に戻らなければならないのか。
ワーケーションや多拠点生活が広まり始めた現代の私たちとしても、楽しさの中に向き合いたい課題が見出せるかもしれません。
今回、他3作品がずっしりぶ厚めの長編小説だったので、選書中一番楽しくページをめくれた作品をセレクトしました。小説家として大成されている本作の著者ですが、日常生活はこんなにユーモアたっぷりなのかと、小説から入った選書者としては嬉しい驚きでした。