“大逆転”
痛快マネーゲーム!
詐欺師たちが騙し騙され、二転三転、ハラハラドキドキの心理戦を繰り広げるお話のスタイル「コン・ゲーム」をご存知ですか?日本ではドラマ「コンフィデンスマンJP」をきっかけにその名を知ったという方も多いかもしれません。
今回は、英国生まれのコン・ゲームの傑作をご紹介。株で騙され無一文になった4人の男たちによる大金を巡る"大逆転"ストーリーです。テンポの良い展開の中に散りばめられた、皮肉や笑いのセンスがとってもオシャレ。読み終えた後、長編映画を観終えたような爽快感が心地よい一作です。
読了しやすさ:★★★★
“大逆転”
今の社会問題と強烈にリンク、新年にぴったりの大逆転。
100年以上前、遠い国であった黒人奴隷制度のノンフィクションです。それだけ聞くと、「あぁ、自分には関係ない」と思ってしまう人も多いかもしれません。でもこの本、いつどんな時代にも読む価値があると感じます。なぜならそれは「今自分が正しいと思っていることが、100年後、間違っていると判断されるかもしれない」から。本書を通じて今の当たり前を見つめ直す機会になればと選びました。
長い間白人が書いた小説だと思われてきた本書。奴隷出身の黒人女性に、こんな文章が書ける、そしてこれがノンフィクションとは誰も信じられなかったからです。奴隷として生まれた作者がありふれた普通を手に入れるまでの、壮絶な"大逆転"。普段は日本で会社員として働く女性が、本作に感銘を受けて翻訳を決意された経緯について語るあとがきも必見です。
読了しやすさ:★★
“大逆転”
前情報のいらない名作。
「残りの寿命を買い取る」という突飛な設定が少しSF的ですが、そんな冒頭からは想像も出来ないくらいにありふれた日常の中で展開する物語です。この小説、とにかく読みやすいので夜更かしや電車の乗り過ごしにくれぐれもご注意ください。
主人公・クスノキの堕落した灰色の人生は、ヒロイン・ミヤギと関わることで少しずつ彩りを帯びていきます。寿命を売る、タイムリミットが迫ったクスノキの人生を追いながら、そんな色づいていくストーリーの変遷を感じて頂けたら嬉しいですし、最後の最後まで分からない“大逆転”の意味にもご注目ください。
読書好きもそうでない方も虜にする本書、勝手ながらお届けできることに運営一同わくわくしています。
読了しやすさ:★★★★★
“大逆転”
素朴な大逆転で心がほっこり。
主人公はどこにでもいそうなフツーのサラリーマン。ある日突然、会社の人員削減プログラムに巻き込まれ、出向や退職斡旋など社内の雰囲気は最悪・・・と、この冒頭部分だけで「あるあるありそう!」と誰もが想像しやすい展開です。特にこのご時世、設定だけで共感を感じられる方が多そうです。
壮大な大逆転を見せてくれる今月の4冊の中で、最も素朴でささやかな"大逆転"。決して派手さはありませんが、誰もが応援したくなる等身大の主人公と寄り添いやすい物語に、読み進めながら前向きで温かい力をもらえます。キーワードは雑草とどんぐり。
読了しやすさ:★★★★